二十四節気を味わう旬彩ごはん
vol.76 【大雪】
忙しいときの 大根料理
Food 2021.12.07
Food 2021.12.07
朝晩すっかり寒くなってくるこの時期、旬を迎える大根。じっくり煮込む料理もおいしいですが、師走ともなると時間がないことも。そこで、切り方などを工夫して、なるべく手間のかからないレシピを紹介します。
ごまの香り豊かで、まるで“ごま炒め”。ピリ辛風味も食欲をそそり、白いごはんにぴったりです。大根は皮つきのままサイコロ状に切り、歯応えを残して仕上げるのがポイント。
大根…300g
豚ひき肉…160g
しょうがのみじん切り…1かけ分
長ねぎのみじん切り…10㎝分
豆板醤…小さじ2/3
ごま油…大さじ2
しょうゆ…大さじ2
酒…大さじ1
砂糖…小さじ1
白すりごま…大さじ3〜4
青ねぎの小口切り…適量
大根は、できれば上部、青首部分がおすすめ。
余裕があれば、しょうがと長ねぎを炒めるときに、にんにくのみじん切りを加えても。
1大根は皮つきのまま1.5㎝角に切る。Aは合わせておく。
大根はよく洗い、皮つきのままサイコロ状に切ります。皮をむく手間がないだけでも嬉しい。
2フライパンにごま油を熱して大根を入れ、しっかり焼きつけながら、3〜4分炒める。
多めのごま油で、あまり動かさず、焼きつけるようにしながら炒めます。
ここでしっかり焼きつけてさえおけば、あとは手早く仕上げられます。
3大根を端に寄せ、空いたスペースにしょうが、長ねぎ、豆板醤を加えて炒める。香りが出てきたらひき肉を加え、ほぐしながら色が変わるまで炒める。
43にAを加え、汁けがほとんどなくなるまで炒め合わせ、火を止める直前に白ごまを加える。器に盛り、青ねぎをふる。
大根はピーラーで薄くスライスしているので、火の通りも早く、おだしがよく染みます。忙しいときは具材をたくさん用意するより、仕上げの薬味をたっぷりのせてごちそう風に。
大根…250〜300g
鶏もも肉(皮なし)…1/2枚(120〜150g)
酒、塩…各少々
片栗粉…小さじ2
冷凍うどん…2玉
めんつゆ(3倍希釈)…約大さじ4
ゆず…小1/2個
みつば…4〜6本
削りぶし…3〜5g
七味唐辛子(好みで)…適量
めんつゆはメーカーによって味や濃さが違うので、量は味見しながら加減して。
1大根は皮をむき、ピーラーで薄くスライスする。鶏肉は1㎝厚さのひと口大のそぎ切りにし、Aをもみ込む。うどんは電子レンジ(500W)で袋の表示通りに加熱する。ゆずは皮を薄くむいてせん切りにし、中身はとっておく。みつばは2㎝長さに切る。
大根は、なるべくピーラーで薄く幅広にスライスするのがおすすめ。
鶏肉にもみ込む片栗粉は、汁のとろみにもなります。鶏肉もつるんとした口あたりに。
2鍋に水3と1/2カップを煮立たせ、めんつゆを加える。再び煮立ったら鶏肉を入れ、1~2分煮て色が変わってきたら、大根とうどんを加え、弱火でさらに1~2分煮る。
3器に盛り、ゆずの皮、みつば、削りぶしを順にのせ、ゆずの中身を絞り、好みで七味唐辛子をふる。
シンプルに、こんな1品も…
レモン風味の効いたみそマヨはさっぱり味で、後を引きます。ほたて缶の代わりにツナ缶でも、セロリがなければ大根だけでもおいしくできます。ポリポリ食感に箸が止まりません。
大根150gは4㎝長さ、7㎜角の拍子木切りにし、セロリ1/2本(50g)も同様に切る。ともにボウルに入れ、塩小さじ2/3をふってよく混ぜ、しっかり水が出てくるまで10分以上おく。水けをギュッと絞り、レモン汁大さじ1であえる。ほたて水煮缶(総量135g)を缶汁ごと、マヨネーズ大さじ1と1/2、みそ小さじ1を加え、ほたてをくずしながら混ぜる。器に盛り、粗びき黒こしょう適量をふる。
12月7日〜12月21日頃
今回の節気は「大雪」。山々だけでなく、平野にも雪が降り積もるような、本格的な冬の到来を意味しています。大根を選ぶときは、太くまっすぐ、ずっしりと重いものを。表面がなめらかでつやがあり、カットしてあるものはスが入っていないものがおすすめです。栄養的には、食べ物の消化や胃腸の働きを助ける酵素、ジアスターゼが含まれており、二日酔いの緩和なども期待できます。年末のこの時期、まさにぴったりの旬野菜ですね。
料理研究家。季節感あふれる食と暮らしを提案。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、世界各国のエッセンスを取り入れた料理はセンスのよさで定評がある。『春夏秋冬ふだんのもてなし 季節料理のヒントとレシピ』(KADOKAWA)『一度は使ってみたい野菜で、何度でもつくりたいレシピ』(プレジデント社)など著書多数。
大根とひき肉の中華炒めは、大根の葉があれば、葉を細かく刻み、大根と一緒に炒めても。大根と鶏肉のゆずうどんは、手早くできて体も温まるので、大掃除の日の昼ごはんなどにもいいですね。
photo:Takako Hirose /styling:Yoshie Uematsu /text:Yukiko Suzuki