二十四節気を味わう旬彩ごはん
vol.82【啓蟄】
ヘルシーな主役おかずに 生わかめ料理
Food 2022.03.05
Food 2022.03.05
春に旬を迎える生わかめは、この時期から出回ります。乾燥や塩蔵とは違う、風味豊かな新鮮さが魅力。そんな生わかめの味わいを生かした、食卓の主役になるレシピをご紹介します。
仕上げに加えたわかめに鶏のスープが絡んだ、シンプルなひと皿。風味と歯応えをしっかり楽しめます。まだ肌寒いこの時期に嬉しい、あったかメニューです。
生わかめ(湯通ししたもの)…80g
鶏手羽元…6本
塩…小さじ1/3
こしょう…少々
にんじん…1/2本
新じゃがいも…2個
オリーブオイル…大さじ1/2
白ワイン…1/4カップ
ローリエ…1枚
塩…小さじ1/2
こしょう…少々
鶏手羽元は、手羽先や鶏もも肉でも。
野菜は同じく旬の春キャベツやかぶにするのもおすすめです。
1わかめは水でサッと洗って水けをきり、食べやすく切る。鶏手羽元は骨に沿って切り目を入れ、塩、こしょうをすり込む。にんじんは大きめの乱切り、新じゃがいもはよく洗って皮ごと半分に切り、水にさらす。
2鍋にオリーブオイルを中火で熱し、手羽元を入れて焼く。全体に焼き目がついたら白ワインを加え、アルコール分が飛んだら水2カップ、Aを加える。
手羽元をしっかり焼きつけるのがコツ。コクのある味わいに。
3沸騰したらアクを取って弱火にし、にんじん、水けをきったじゃがいもを加えてフタをし、20分ほど煮込む。火が通ったらわかめを加えてサッと煮る。
下ゆでされていない場合は、湯通ししてから使います。熱湯にサッとくぐらせ、茶色がかった色が鮮やかな緑色に変わったらすぐに引き上げ、冷水で洗って水けをきります。保存袋や密閉容器に入れて、冷蔵室へ。2〜3日で使いきりましょう。
わかめと相性抜群のたこを組み合わせた、簡単混ぜずし。さっぱりしていますが、意外とボリューミーで食べ応えもあります。思い立ったらすぐに作れるスピード料理です。
生わかめ(湯通ししたもの)…50g
ゆでたこ…100g
三つ葉…1/3〜1/2束(20g)
卵…1個
砂糖…小さじ1
塩…少々
温かいごはん…茶碗2杯分(300g)
すし酢(市販)…大さじ3
白いりごま…大さじ1
好みで梅干し適量を加えてもよく合います。
1わかめはサッと洗って水けをきり、食べやすく切る。たこは1㎝幅のひと口大に切る。小さいボウルにわかめ、たこ、すし酢大さじ1を入れてサッと絡めておく。三つ葉は2㎝長さのざく切りにする。
わかめとたこに下味をつけておくと、すし飯と混ぜたときになじみがよくなります。
2耐熱ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせる。ふんわりとラップをかけて、電子レンジ(600W)で50秒ほど加熱し、フォークなどで細かくほぐしていり卵を作る。
3温かいごはんに残りのすし酢大さじ2を回し入れて混ぜ合わせ、濡らしたキッチンペーパーをかけてあら熱をとる。1のわかめとたこをすし酢ごと加え、三つ葉、2、ごまを加えてさっくりと混ぜる。
あさりのうま味を吸わせて菜の花を加えた、春の香りたっぷりのパスタ。しっかり火を通しても量感が変わらないのは生のわかめならでは。満足感を味わえます。
生わかめ(湯通ししたもの)…80g
殻つきあさり(砂抜きしたもの)…250g
菜の花…80g
にんにく…1片
スパゲティ…160g
オリーブオイル…大さじ1
白ワイン…1/4カップ
塩、こしょう…各少々
粉チーズ…適量
菜の花の代わりにグリーンアスパラガスでも。
1わかめはサッと洗って水けをきり、食べやすく切る。あさりは殻をよく洗い、水けをきる。菜の花は長さを3等分にし、にんにくはみじん切りにする。
2鍋に水1リットルを沸かして塩小さじ2(分量外)を加え、スパゲティをゆでる。ゆで上がる30秒ほど前に菜の花を入れてサッとゆで、ザルに上げる。ゆで汁を大さじ3〜4程度とっておく。
3フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて弱火にかける。香りが出たらあさりを加え、白ワイン、水1/4カップを加えてフタをし、2〜3分蒸し煮にする。あさりの口が開いたら取り出す。
あさりは口が開いたものから、身がかたくならないように、
すぐに取り出していくのがポイント。
43にゆで汁とわかめを加えて乳化させ、2を加え、あさりを戻して全体を絡め、塩、こしょうで味を調える。器に盛り、粉チーズをふる。
3月5日〜3月20日頃
今回の節気は「啓蟄」。春の気配を感じて、冬ごもりをしていた虫たちが動き出す季節を意味します。生わかめは、収穫時期であるこの頃が旬。乾燥させたり塩蔵にしたりして保存することはできますが、生の風味はまた格別のおいしさです。栄養面では、低カロリー、低糖質は言うまでもなく、マグネシウムやヨウ素、カルシウムなどのミネラル成分、食物繊維も豊富に含んでいます。選ぶときは、黒褐色でつやのいいもの、肉厚で弾力のあるものが良質です。
料理家・管理栄養士。料理家・祐成二葉氏のアシスタント、祐成陽子クッキングアートセミナー講師を経て独立。料理雑誌やファッション誌、テレビ、WEBなどでメニュー提案、スタイリングを行う。『忙しい日のできたてごはんがレンチンだけでできちゃった100』(主婦の友社)、『材料を袋に入れるだけで、定番の冷凍食品がおうちでできた!』(学研プラス)など著書多数。
生わかめとあさりのパスタは、あさりによって塩分が違うので、味をみてから塩、こしょうで仕上げましょう。生わかめは日持ちがしないため、保存したい場合は、湯通しして食べやすく切ってから冷凍するのがおすすめ。1か月程度保存することができます。
photo:Takako Hirose /styling:Yurie Niiya / text:Yukiko Suzuki