二十四節気を味わう旬彩ごはん
vol.80【立春】
シャキシャキ感を生かして 新玉ねぎ料理
Food 2022.02.04
Food 2022.02.04
まだまだ寒いこの時期ですが、暦の上では春が始まります。シャキシャキ感が魅力の新玉ねぎが出回り始めるのもこの頃。みずみずしさを余すことなく味わえるメニューをご紹介します。
電子レンジで仕上げるシンプル調理。新玉ねぎならではの甘味を味わえます。しゃぶしゃぶ用のごく薄切りの豚肉を使ってしっかり巻きつけるのがコツ。ぜひ熱いうちにどうぞ。
新玉ねぎ…小2個(約350g)
豚バラ薄切り肉(しゃぶしゃぶ用)…200〜250g
豆苗…1袋
ごま油、酒…各小さじ2
塩…適量
<辛子酢じょうゆ>
練り辛子、しょうゆ、酢…各適量
練り辛子の代わりに豆板醤適量を混ぜ、豆板醤酢じょうゆにしてもよく合います。
1新玉ねぎは縦半分に切って芯を取り除き、繊維と直角に3等分(1.5~2㎝厚さ)に切り、それぞれ外側部分と内側部分の2つに分ける。豚肉は長さを半分に切る。玉ねぎに豚肉を1~2重になるよう巻きつけ、軽く握ってなじませ、玉ねぎと肉を密着させる。豆苗は2㎝長さ程度に食べやすく切り、ごま油であえておく。
3等分に切った新玉ねぎは、外側部分から内側部分をはずすように取り分けます。
どちらにも豚肉を巻きつけ、手で軽く握ってしっかり密着させます。
2耐熱皿に1の豚肉巻きの半量を円状に並べ、酒小さじ1、塩適量を全体にふりかけ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(500W)で約5分加熱する。残り半量も同様に加熱する。豆苗も別の耐熱皿に広げて入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで約1分加熱する。
加熱ムラを防ぐため、豚肉巻きは中心を空けて円状に、外側、内側と交互に並べて。
ふんわりとラップをかけて加熱します。
3器に盛り合わせ、辛子酢じょうゆを添える。
豆腐の代わりに新玉ねぎで作る簡単マーボーです。新玉ねぎを軽く炒めて取り出し、仕上げに戻し入れればシャキシャキ感もしっかり楽しめます。切り方も歯ざわりを生かす大切なポイント。
新玉ねぎ…小2個(300〜350g)
豚ひき肉 …160g
サラダ油…小さじ4
にんにくのみじん切り…小さじ1
豆板醤、みそ…各小さじ2
水…1カップ
酒(あれば紹興酒)…大さじ1
しょうゆ…大さじ1と1/2
片栗粉…大さじ1
ラー油(好みで)…適量
ゆでたさやえんどうを仕上げに加えて彩りをよくしても。
1新玉ねぎは縦半分に切って芯を取り除き、2㎝幅のくし切りにする。中華鍋やフライパンにサラダ油小さじ2を熱して玉ねぎを入れ、透き通ってくるまでサッと炒めていったん取り出しておく。
21にサラダ油小さじ2とひき肉を入れて火にかけ、ひき肉の脂がにじみ出て、パチパチしてくるまでしっかり炒める。
32にAを加えて炒め、香りが立ってきたらBを加え、煮立ったら1を戻し入れる。同量の水で溶いた片栗粉を回し入れてとろみをつけ、好みでラー油を回しかけて火を止め、器に盛る。
少し余ったら、こんな小さいおかずも…
おつまみにもおかずにもなる、新玉ねぎならではの生サラダ。相性のよい梅干しと合わせて彩りもよい1品です。水けが出ないよう、食べる直前に調味しましょう。
新玉ねぎ小1/2個(約85g)は繊維に沿ってごく薄切りにし、貝割れ菜1/2パックは長さを2〜3等分にする。ボウルに入れ、食べる直前にポン酢じょうゆ大さじ1、種をとってたたいた梅干し1個分、削り節2〜3gを加えてさっくり混ぜ合わせる。
2月4日〜2月18日頃
今回の節気は「立春」。二十四節気の最初の節気となり、寒い中でもどことなく春を感じ始めます。この時期から出回る新玉ねぎは、収穫後すぐに出荷されたものをさし、皮が薄くて柔らかく、水分が多くて辛味が少ないのが特徴です。栄養面では普通の玉ねぎと変わりなく、血栓の予防が期待できる硫化アリル(アリシン)、強力な抗酸化作用で注目されるポリフェノールの一種・ケルセチンのほか、疲労回復効果が期待されるビタミンB1なども豊富。選ぶときは、表面がつややかでキズがなく、ずっしりと重いものが新鮮です。
料理研究家。季節感あふれる食と暮らしを提案。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、世界各国のエッセンスを取り入れた料理はセンスのよさで定評がある。『春夏秋冬ふだんのもてなし 季節料理のヒントとレシピ』(KADOKAWA)『一度は使ってみたい野菜で、何度でもつくりたいレシピ』(プレジデント社)など著書多数。
豚巻き蒸しは、冷めると豚肉の脂が白く固まってしまうので、その場合は電子レンジで再び30秒ほど温め直すといいでしょう。新玉マーボーは、みそを甜麺醤にしたり、花椒を炒めて加えたりすれば、より本格的な味わいに。途中で酢や黒酢を適量加え、味変するのもさっぱりとしておすすめです。新玉ねぎの梅おかかサラダは、ごく薄切りにしたら水にさらさずそのままいただきますが、辛味が気になる人は、縦半分に切った状態で10〜20分水にさらしてから薄切りにすると、辛味がやわらぎます。
photo:Takako Hirose /styling:Yoshie Uematsu /text:Yukiko Suzuki