二十四節気を味わう旬彩ごはん
【清明】
加熱しても生でも美味 春キャベツ料理
Food
Food
旬真っ盛りの春キャベツは甘く柔らかく、格別のおいしさです。みずみずしさが味わえるシンプルな加熱料理と、カジュアルな生サラダ。両方の味わいを楽しんでください。
くし切りにした春キャベツをそのままこんがりと焼いた、迫力ある一品。マスタードとレモンを効かせたクリームソースが、キャベツにとろりと絡み、甘味をより感じられます。
春キャベツ…小1/2個(約350g)
鶏もも肉…大1枚
塩…少々
オリーブオイル…適量
粒マスタード…小さじ2
生クリーム …1/2カップ
レモン汁…約小さじ1
しょうゆ…小さじ1
クレソン(あれば)…2〜4本
レモンの皮のすりおろし(好みで)…適量
鶏もも肉の代わりに、とんかつ用の豚ロース肉、たいの切り身などでも。
レモンは国産のものがおすすめです。
1春キャベツは芯をつけたまま、くし切りにする。鶏肉は4等分にして塩をふる。
2大きめのフライパンに、油をひかずに鶏肉を皮目を下にして入れ、中火にかけて4分ほどこんがりと焼き、返して端に寄せる。空いたスペースにキャベツを入れ、フタをして一緒に蒸し焼きにする。キャベツは途中で返し、オリーブオイルを回しかけ、両面を焼く。
鶏肉は、冷たいフライパンに皮目を下にして並べてから焼き始め、
皮目が香ばしくなるまでしっかりと焼きます。
返して端に寄せ、キャベツを並べ入れてフタをし、やや焦げ目がつくまで両面を焼きます。
3キャベツはしっとりしてかさが減り、色が鮮やかになったら、キッチンバサミなどで芯を切り離し、器に盛る。鶏肉も火が通ったら(両面で8分ほど焼くのが目安)、同じ器に盛り合わせ、あればクレソンを添える。
キャベツは芯を切り離しておくと食べやすくなります。
43のフライパン(水分が残っていてもよい)にAを入れて再び火にかけ、フライパンを傾けながら弱火で煮立たせてソースを作る。熱いうちに3の器に回しかけ、好みでレモンの皮のすりおろしを散らす。
ソースの材料を弱火で煮立たせます。煮つまりすぎたときは、水大さじ1〜2を加えてのばして。熱いうちに器に盛ったキャベツなどに回しかけます。
柔らかい春キャベツならではのせん切りサラダです。甘辛い豚肉をのせることで、一気に立派なメインおかずに。キャベツと盛り合わせたポテトチップスが楽しいアクセント。
春キャベツ…約200g
貝割れ大根…1パック
豚バラ薄切り肉…200g
ポテトチップス(市販・塩味)…50〜60g
しょうゆ、みりん、水…各大さじ3
おろしにんにく、おろししょうが…各少々
貝割れ大根のほか、青じそのせん切りを加えても。
1春キャベツは3~5㎜幅のせん切りにし、貝割れ大根は長さを3等分に切る。一緒に水にさらし、水けをきる。豚肉は2㎝幅に切り、ポテトチップスはポリ袋に入れて、手で粗く砕く。
春キャベツは柔らかいので、少し太めのせん切りでもOK。
芯も薄切りにしてからせん切りにします。水にさらし、水けはしっかりときっておくのがコツ。
ポテトチップスを砕くのは、ポリ袋を使うと便利です。
2大きめの平皿に、1のキャベツ、貝割れ大根とポテトチップスを交互に重ねて盛る。
3フライパンを熱し、油をひかずに豚肉を広げながら入れて炒める。色が変わったらAを加え、アルコール分を飛ばすように煮立たせ、軽くとろみがついたら2に汁ごと回しかける。
こんな小さいおかずも簡単に……
ヨーグルトを加えたさわやかなコールスローです。春キャベツは、スプーンで食べられるように小さく切り、塩もみしています。ゆでたひよこ豆やホールコーンを加えても。
春キャベツ約200gは1㎝四方に切り、芯も斜め薄切りにしてから同じ大きさに切る。にんじん30gも同じ大きさに切る。キャベツとにんじんをボウルに入れ、塩小さじ1弱を加えてなじませ、10分ほどおいたら軽くもんで水けをギュッと絞る。マヨネーズ大さじ2、ヨーグルト小さじ2、酢小さじ1を加え、全体をあえる。
4月5日〜4月19日頃
今回の節気は「清明」。万物が清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉を略したもので、明るく美しい季節です。この時期旬になるのが、春キャベツ。秋頃に種をまき、春に収穫されるキャベツのことで、甘味が強くみずみずしい味わいが特徴です。選ぶときは、芯の切り口が小さく、葉の色が鮮やかな緑色でツヤとハリがあり、巻きがゆるいものを。冬キャベツ同様、栄養豊富で、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンU、食物繊維などのほか、体内の解毒作用や抗酸化作用が期待できる栄養素、イソチオシアネートも含まれています。
料理研究家。季節感あふれる食と暮らしを提案。野菜づくりを長年ライフワークとし、旬の野菜をたっぷりと使った料理や、世界各国のエッセンスを取り入れた料理はセンスのよさで定評がある。『春夏秋冬ふだんのもてなし 季節料理のヒントとレシピ』(KADOKAWA)『一度は使ってみたい野菜で、何度でもつくりたいレシピ』(プレジデント社)など著書多数。
春キャベツとチキンのグリルは、同じく旬のグリーンアスパラガスや小かぶなどを一緒に焼くのもおすすめです。豚肉ジンジャーソテーのせで使用する市販のポテトチップスは、今回は厚切りタイプを使いましたが、薄切りでも。好みで試してください。コールスローはまとめて作っておいても重宝しますよ。
photo:Takako Hirose /styling:Yoshie Uematsu /text:Yukiko Suzuki